ゴーストパーティー
第一夜
02
「ふぅ。最近、すーちゃんがめっきり決闘やってくれなくなったよね」
「あぁ?」

具現して早々彼女は不機嫌だった。
お前のデッキ相手だと俺が一方的に分が悪いからな。まぁ、それだけじゃないんだが……

桜は既に精霊に近い存在だ。しかし、元々はゴースト。あまり現世にばかり具現化して良いものじゃない。

「まぁ、いいよ。それより久々のデュエルだ!」
「少しぐらい手加減してくれよ。相性悪いんだから」
「う〜ん、どうしようかなぁ?」

これは手加減してくれそうにないな。キツい布陣敷かれそうだ。

「「決闘!!」」

初雪 LP8000 デッキ40
桜 LP8000 デッキ40

「仕方ないね。それなら先攻は譲るよ」

ふん。俺の先攻か。
これは……

「完璧な手札だ!」

墜ち武者
☆4 ATK1700

「召喚時に効果を使う。デッキの死霊王ドーハスーラを墓地へ送る。そしてカードを2枚伏せてターン終了だ」

初雪
LP8000 デッキ34 手札2 墓地1 除外0
モンスター1 魔法、罠2

「ほむ?」

何ぼぉ〜っと呆けている。

「すーちゃんが完璧な手札だって言うからてっきりそれなりに展開してくると思ったんだけど」
「あぁ?わりぃか」
「ううん。そんな事ない」
「温存だ、温存。この手札2枚が切り札なんだよ。攻撃すらできない1ターン目に展開してもしかたねぇだろ」

つっても、桜が俺の妄言にビビるような魂じゃねぇことは分かっている。言えるわけねぇだろ、事故ってるなんて。
展開できるなら俺だって展開してぇよ。特に桜のような面倒極まりないデッキ相手だとそもそも展開すら……

「じゃあ、すーちゃんが展開しないようなら、さっさと押さえ込んじゃうね。私のターン、と」

押さえ込むってことはやはり出せる手札は揃ってるってことか。めんどくせぇ。

「まずはすーちゃんの場のモンスターが1体、私の場が0体だからマンドラゴを特殊召喚しとくね」

ヴェルズ・マンドラゴ
☆4 ATK1550

「そして、召喚権を使ってカストルを召喚」

ヴェルズ・カストル
☆4 ATK1750

「カストルの効果でこのターン、もう一度、ヴェルズの召喚ができる。その増えた召喚権を使ってケルキオンを召喚」

ヴェルズ・ケルキオン
☆4 ATK1600

いきなりヴェルズ3体か。これはオピオンだけじゃ済まされないだろうな……

「マンドラゴ、カストル、ケルキオン。闇属性モンスター3体をリンクマーカーにセット、サーキット・コンバイン!リンク3!幻影騎士団ラスティ・バルディッシュをリンク召喚!」

幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ
リンク3 ATK2100

ほぉ……

「ラスティ・バルディッシュの効果。デッキからダスティローブを墓地へ送り、デッキの幻影霧剣をセット。そして、墓地のダスティローブをゲームから除外してサイレントブーツを手札に加える」
「実質2サーチ。ふざけたカードだ」
「手札を1枚捨ててD・D・Rを発動!ゲームから除外されているダスティローブを帰還させる」

幻影騎士団ラギッドグローブ
手札→墓地

幻影騎士団ダスティローブ
☆3 ATK800

「ダスティローブを攻撃表示から守備表示に変更して効果発動するね。ラスティ・バルディッシュの攻撃力を上げる」

幻影騎士団ダスティローブ
ATK800→DEF1000

幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ
ATK2100→2900

「更に手札のサイレントブーツは自分フィールド上に幻影騎士団がいる場合、手札から特殊召喚できる」

幻影騎士団サイレントブーツ
☆3 ATK200

レベル3が2体。エクシーズ召喚か。

「ダスティローブとサイレントブーツでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!ランク3!幻影騎士団ブレイクソード!」

幻影騎士団ブレイクソード
★3 ATK2000

「この瞬間!ラスティ・バルディッシュの効果発動!その伏せカードを破壊するね」

くっ。ミラフォが撃ち抜かれたか。

「ミラーフォース……正解のカードを撃ち抜けたね。さて、もう一枚は何かな?ブラフか、それとももう一枚正解が伏せられてるのか」

どちらにしてもブレイクソードも破壊効果を持っている。もう一つの効果のことを考えると撃ってこない理由もないだろう。

「ブレイクソードの効果も使うよ。ブレイクソード自身ともう一枚の伏せカードも破壊する」
「対象となったカードを発動する。のどかな埋葬!」

馬頭鬼
デッキ→墓地

「む、フリーチェーン……」
「残念だったな。ブレイクソードは犬死にだ」
「犬死にじゃないよ」

分かってるよ、そんな事ぁ。ブレイクソードの効果の狙いは俺の伏せを剥がすことじゃねぇ。自害からの更なる展開だってことぐらい。

「エクシーズ召喚されたブレイクソードが破壊されたときの効果を発動!墓地の幻影騎士団2体をレベルを1つ上げて特殊召喚する」

幻影騎士団ダスティローブ
☆3→4 ATK800

幻影騎士団ラギッドグローブ
☆3→4 ATK1000

「そして、レベル4となったダスティローブとラギッドグローブの2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル!」

No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル
★4 ATK2500

「ラギッドグローブをエクシーズ素材にした闇属性エクシーズモンスターは攻撃力を上げる」

No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル
ATK2500→3500

破壊耐性持ちの攻撃力3500……高いな。後ろの幻影霧剣と合わせてなかなかの布陣だ。だが、突破できない訳じゃない。

「更に死者蘇生発動!」

死者蘇生。桜、最後の手札だぞ。温存って選択肢はないのか。

「ケルキオンを特殊召喚!」

ヴェルズ・ケルキオン
☆4 ATK1600

ここでケルキオンか。厄介なの、出されるな。

「ケルキオンの効果でカストルをサルベージ」

ヴェルズ・マンドラゴ
墓地→除外

ヴェルズ・カストル
墓地→手札

「ケルキオンのサルベージ効果を使用したターン、ヴェルズの通常召喚権を1回増やせる。これはカストルの効果と共存できるよ。カストルを召喚!」

ヴェルズ・カストル
☆4 ATK1750

攻撃力の合計は……

2900+3500+1600+1750=9750

墜ち武者の攻撃力は1700でワンターンキル達成か。

「バトルいくね。すーちゃんの手札は2枚。可能性があるとするならそこかな?マスター・キー・ビートルで墜ち武者を攻撃!」
「それは普通に通す」

初雪 LP8000→6200

「ラスティ・バルディッシュで直接攻撃!」
「おっとそいつは通せないな。セラセニアントの効果発動!相手の直接攻撃時、手札からこいつを特殊召喚して壁にする」

捕食植物サラセニアント
☆1 DEF600

これでワンターンキルはとりあえず阻止だ。で、桜がここからどう動くか、だが……

「サラセニアント……破壊効果にサーチ効果。なかなか強力な効果を持ってるね。良いよ。ラスティ・バルディッシュの攻撃は中断しよう。このままメインフェイズ2に移行する」

ワンキルできない以上、さすがに無理矢理攻め込んでは来ないか。桜の布陣はそれだけ磐石なものだ。

「メインフェイズ2でカストルとケルキオンでオーバーレイ!2体のレベル4ヴェルズでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!ランク4!ヴェルズ・オピオン!」

ヴェルズ・オピオン
★4 ATK2550

出てきやがったな。レベル5以上のモンスターの特殊召喚を封じる害悪。俺の主軸が高レベルの融合モンスターである以上、奴の封殺はぶっ刺さるんだよ。

「オピオンの効果発動!デッキから侵略の汎発感染をサーチして手札に加える。更に墓地のサイレントブーツをゲームから除外して効果発動!デッキから幻影翼をサーチして手札に加える。そして、2枚ともセット」

ちっ。ヴェルズ・オピオン守り通す気満々じゃねぇか。厄介なカードばかり使いやがる。

「仕上げにマスター・キー・ビートルの効果発動!ヴェルズ・オピオンに効果破壊耐性をつけてターン終了。さぁ、突破できるって言うなら突破して見せて」

言ってくれるじゃねぇか。だが、厄介なことこの上ない布陣なのは確かだ。

安定したサーチで戦線を維持していけるラスティ・バルディッシュ。
ヴェルズ・オピオンに耐性を付与し、自身は3500とかいう破格の高攻撃力を持っているマスター・キー・ビートル。
俺のデッキの主軸の展開を阻むヴェルズ・オピオン。

更にモンスターだけじゃなく、バックに控えている伏せカードの方も……

ヴェルズモンスターに魔法罠に対する絶対の耐性を与える侵略の汎発感染。
戦闘効果の両方に破壊耐性を与え、攻撃力の上昇も狙える幻影翼。
こちらのモンスターの攻撃宣言と効果発動を封じる幻影霧剣。

どいつもこいつも無駄なカードがない。吐き気を催すぐらいのロックだ。
だが、お前がヴェルズ・オピオン使うことぐらい分かってたことだ。俺のデッキを完封しかねないそのモンスター。対策なしなはずないだろう。

「俺のターン!」
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KngOzk ( 2020/02/03(月) 01:59 )