ゴーストパーティー
第一夜
01
卒業後も結局、俺はこのホテルに住み着いてる。まぁ、他に行く宛があるわけもなく、ランの元に転がり込むわけにもいかない。
街中に溢れ返っていたゴーストどもも姿を消した。
寂しくもあったが、彼らが俺らの夢を見てくれてるのなら、生きている限り俺はこの世界で生き続ける。それが全ての懐かしい人に報いることになるのだから。

「つっても、一人っきりってのもなかなか辛いものがある」

行こうと思えば綾やラン、妻の奴に会いに行くくらいできる。だが、夜中にふと寂しくなることもないわけではない。

─!!─

カタカタカタカタ

「あぁ、分かってる。そう怒るな」

風も吹いていないのに窓ガラスがカタカタうるさい。桜の奴、俺が一人だと言ったことに怒ってるらしい。
件の出来事以降、桜は俺に憑いているらしい。コノハサクヤはそう言っていた。
悪霊としての、ゴーストチャイルド、桜の性質は完全に抜け落ち、守護霊的なものだから安心しろと言われた。
コノハサクヤはこの桜を討つ気はないらしい。宮棟の方は隙を見ては討とうとするから警戒はしているが……
姿は見えず声も聞こえないが、桜を何となく感じることはできる。あの単純な桜の考えていることなど手に取るように分かる。

─!💢💢💢 💡!?❤❤─

「…………死ぬか」

前言撤回だ。こいつの考えなど俺には分からん。

「なんだ発情でもしてるのか」

─!?─

カタカタカタカタ
ガタッバタッキィィィ

「うるさい幽霊さまだ」

ぴゃーぴゃー言って逃げる途中で転んだな。今のは分かった。
反魂香を使えば姿も見えるし声も聞こえる。だが、俺は滅多なことでは使わないと決めている。
当然、桜に会いたいし、その声も聞きたい。だが、反魂香を使って桜を悲しませては本末転倒というものだ。

カタカタカタカタ

「ん?」

棚の方がひとりでにカタカタ揺れ始め、置かれていた俺のデッキケースが落ちる。

「あぁ、デュエルしたいのか」

そう言えば、反魂香を使う以外に桜に会える方法があったな。
デュエルをしている最中だけ桜は具現化できる。コノハサクヤが言うには、このカードゲームは、古代エジプトで自らの魂を魔物の形として石盤に投影し闘わせることで裁判していた、と言うことをモデルに作られたらしい。
眉唾物だが、その起源からデッキ使用者の魂の形に反応し桜を投影できているらしい。原理はよく分からないが実際に具現化している以上、そういうものなのだろう。

─❤❤❤─

「仕方ない。軽く揉んでやるか」

KngOzk ( 2020/01/13(月) 08:04 )