『知ってる顔が同じとは限らない』
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「ッ!?」

 カードに触れる瞬間、カグラは動きを止めた。

(なん、や? この感じ……胸が苦しなってきおった)

 カグラは心臓が押し潰されそうな感覚を覚え、カードに掛けていた手で左胸を押さえざるおえなかった。
 心臓は激しく脈打ち、全身に危険信号を発していたが、病的な物ではない事はすこぶる健康体であるカグラは本能的に理解出来た。
 ならば何だと言うのか……。

(……? ははーん……なるほろ)

 カグラは心臓の異変と共に、ある違和感を感じ取っていた。
 まるで、自分が二人居るような感覚、とも言えば良いか。
 自分が考えていることとは別の思考が脳に入り込んできているのだ。

(真木波君も潮君も居るんや……俺も居らんのは納得出来へんよな。 ドッペルゲンガー……自分のそっくりさんとは会っちゃあかん、そんなノリかいな?)

 この世界でのカグラが近付いてきている予兆なのだろうか?

(ま、でもこれはこれで必要なイベントみたいやね)

 胸の苦しみに耐えながら、カグラは自分の中に新しい何かが芽生え始めている事を感じ取った。

(次元を越えた出会いが歪みを生んだんやな)

 カグラは笑う。

「何か苦しそうだが、大丈夫か?」

 (多少)心配そうな繋にカグラは、親指を立てて返した。

「大丈夫や、今から俺も知らん展開になるさかい、目えかっぽじって良く見とけ!」

 胸から手を離し、カグラはカードを操る。

「(お前が、引き金みたいやな)俺の場にフォトンモンスターがおる場合、【フォトン・シーフ】は特殊召喚出来る!」

 白銀に輝く外套を羽織り、鉄製の仮面を着けた青年が召喚される。
☆3【フォトン・シーフ】ATK1000

「……怪盗にしては派手すぎないか?」

「隠れて盗みなんて楽しくないやん? 怪盗はこれでええねん」

 訝しげる繋に誇らしそうに返したカグラは動く。

「シーフはリリースする事で、デッキからレベル4以下のフォトンまたはギャラクシーモンスターを特殊召喚する! 俺は【ギャラクシーサーペント】を特殊召喚!」

 銀河眼の間を縫うように泳ぎ、光輝く龍が姿を顕した。
☆2【ギャラクシーサーペント】ATK1000

「行くでぇ! 俺はレベル8の【銀河眼の光子竜】にレベル2の【ギャラクシーサーペント】をチューニング!」

「!? シンクロ召喚だと!?」

 サーペントが光の輪となり、巨竜を包み込んでいく。

――輝きし銀河の眼が 新たな光子の扉を開く

「シンクロ召喚! 来光せよ【銀河眼の光速竜(ギャラクシーアイズ・アクセルフォトンドラゴン)】!」

 光が爆発し金色の輝きを放つ光翼、槍のように鋭い角を生やす光子竜がカグラの場に顕現する。
☆10【銀河眼の光速竜】ATK3500

月光龍 ( 2015/08/18(火) 14:23 )