『知ってる顔が同じとは限らない』
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「攻撃力二倍、か。 豪快やねえ」

「その代わりに相手にダメージを与えることは出来ない……俺は【ERK―アヴェイル 征罰騎士】を召喚!」

 ヴォルパーシヴァルの傍らに快活そうな黒髪、短髪の少女騎士が現れる。
 その手には十字槍が握られていた。
☆3【ERK―アヴェイル 征罰騎士】ATK1000

「そしてバトル! ヴォルパーシヴァルで【銀河戦士】を攻撃!」

 金の瞳が軌跡を描き疾駆、カグラの場へと肉薄する。

『ハアアア!』

 常人であれば絶命しそうな気迫を放ちながら、ヴォルパーシヴァルは戦士を切り刻む。

「おー、怖っ」

「まだだ! ヴォルパーシヴァル、そのまま竜を攻撃」

 体勢を崩さず、ヴォルパーシヴァルは切り返して竜の首もとへと剣を走らせる。

「攻撃力上げても無駄やで! “ギャラクシカル・アウト”」

 カグラが宣言すると竜、そしてヴォルパーシヴァルが姿を消す。

「ただの戦闘で相棒は倒せへんて言うたやん」

「……確かにその竜は強い、今の俺では打ち倒すことは出来ない、だが!」

 繋はカグラに人差し指を突き出した。

「アンタ自体には攻撃は通る!」

「ぬっ」

 がら空きになったカグラの場、残るモンスターは繋の騎士のみ。
 それが意味することは、一つだろう。

「アヴェイルでダイレクトアック!」

「あはん」

 妙な言葉を放ちながらカグラは十字槍の攻撃を受けた。
カグラ:LP3000

「ん、そこに気付くとは流石は真木波君の(孫)やな……」

 決闘の行く末を見守る全ての者が(いや、普通に気付くだろ)と内心で突っ込んだのは言うまでもない……が。
 賞賛を受けた繋本人は、意外と喜んでいたが。

「でも、攻撃力が高いモンスターやなくて助かったわ」

「この程度で騎士の攻撃を受けきったつもりか? アヴェイルの効果発動!」

 繋の宣言と同時にアヴェイルは腰にぶら下がっている角笛を手にし、思い切り吹いて見せた。

「なんや顔赤くしながら頑張っとるとこ可愛い子やね」

 カグラの言葉に照れたような表情のアヴェイルだが……。

「胸がちょっち足りへんけど」

 一瞬にして殺意に変わっていた。

「その余裕無くしてやるぜ。 アヴェイルが戦闘ダメージを与えたとき、与えたダメージと同じ数値を俺は受け、墓地から【ERK―ノーティン・征罰騎士】を守備表示で特殊召喚」

 笛の音に導かれ、妖艶な美女が復活する。
☆5【ERK―ノーティン・征罰騎士】DEF0

「さらに、効果ダメージを受けたことにより、【ERK―セツナ・征罰騎士】を手札から特殊召喚!」

「ほーう」

 立て続けに召喚される騎士に、カグラも感嘆の声を上げる。
☆6【ERK―セツナ・征罰騎士】ATK2400

「セツナの効果により、このカード以外のモンスター、全ての表示形式を変更する!」

 セツナが号令をかける事で、アヴェイルとノーティンがそれに従う。
☆3【ERK―アヴェイル・征罰騎士】DEF0
☆5【ERK―ノーティン・征罰騎士】ATK2100

「上手い! これが決まれば繋の勝ちね!」

 桐子が喜びの声を上げ、それに応えるように繋は騎士たちへ命令を下す。

「バトルフェイズは終わっていない! ノーティンでダイレクトアック!」


月光龍 ( 2015/08/10(月) 18:16 )